オオサカ堂の売上を推定してみた

2020年7月24日

how-much-osakado-make-a-year

オオサカ堂(osakadou.cool)をご存じですか?

オオサカ堂は、ロイユニオン(Roy Union Ltd)が運営する最大手の医薬品個人輸入代行サイトです。この記事では、オオサカ堂が1ヶ月にいくら売り上げているか、収益を推定してみようと思います。

なんでそんなことするかって?オオサカ堂のいちアフィリエイターとして気になるからです。それに、皆さんお金の話大好きじゃないですか。なにより私自身、通販サイトの分析を仕事としてやってきた経験があるので、その知見を活かして興味深いコンテンツをつくってみたいと思いました。

前置きはこれくらいにして本編に入りましょう。その前に、「個人輸入とはなにか」についてだけ簡単に説明しておきます。

ℹ️個人輸入代行って?

個人輸入とは、海外から外国の製品を個人で使用することを目的に輸入する行為のこと。アメリカのアマゾン(Amazon.com)や、iHerbでの通販も個人輸入に該当する。オオサカ堂など、海外の処方箋医薬品を専門に扱う業者を医薬品個人輸入代行業者と呼ぶ。オンライン薬局と呼ばれることも。

オオサカ堂の月売上高を求める公式

オオサカ堂の売上 = サイト訪問数 × 平均購入率 × 平均購入単価

通販サイトの売上をシンプルに公式化すると上記の通りです。

サイト訪問数 = オオサカ堂への訪問数
平均購入率  = 購入数 ÷ サイト訪問数(転換率とも呼びます)
平均購入単価 = 1回あたり購入額

もし、私がオオサカ堂の運営者であれば、これらの正確な数値をGoogleアナリティクスなどの解析ツールを通じて知ることができます。しかし、部外者にその手段は使えませんので、今回はシミラーウェブ(SimilarWeb)を使います。

ℹ️シミラーウェブ(SimilarWeb)って?

ウェブサイトのアクセス数などをURLを入力するだけで分析することができるサービス。イスラエルにHQを構えるSimilarWeb, Ltd.が提供。7都市にオフィスを構える世界的に有名なマーケティングツールだが、データソースを明かしていないので正確性を疑問視する声もある。
シミラーウェブ https://www.similarweb.com/ja

オオサカ堂の月間訪問回数

オオサカ堂の月間訪問数=112万回

オオサカ堂は3種類のURLを使用しています。これは、同じ名前のウェブサイトが3つあるようなものです。なんで?と思うかもしれませんが、特に珍しいことではありません。パソコン用とスマートフォン用とで異なるURLを使用する通販サイトは数多くあります。

ここではオオサカ堂というオンラインビジネス全体の売上を推定したいので、以下3つのサイト全ての数値を確認していきます。

osakadou.cool = メイン/ Googleの検索結果に出てくるURL
osakado-smp.org = スマートフォン用
osakado.clinic = サブ/ メールマガジンのリンク先などに使われる

さて、それではシミラーウェブ(無料版)で訪問数をみてみましょう。

比較対象としてiherb(日本の)を加えています。「オオサカ堂はあのiherbの◯分の1くらいの集客規模なのか」という感覚的な把握の参考に用いてください。というのも、多分iherbが日本最大の個人輸入通販サイトです。

シミラーウェブ(無料版)による月間訪問数【2020年1月-3月の平均値】
オオサカ堂(合計):142万回
(iherb                      :313万回)

osakadou.cool-monthly-traffic
シミラーウェブ無料版を参照

オオサカ堂の2020年第一四半期の月間平均訪問数が142万回ほどだったと算出されています。iherbの約半分の集客力とは、さすがに大きいですね。収益も相当なものでしょう。

ちなみに、URLごとの集客比率は以下の通りでした。
osakadou.cool:osakado-smp.org:osakado.clinic = 1:2.4:0.6

さぁこれでオオサカ堂の月間訪問数がわかったぞ!と結論を出したいところですが、シミラーウェブ無料版が算出する訪問数には、経験上最大で±25%ほど誤差が生じます。誤差を取り除く方法やその規則性は、トラフィック数のデータソースがブラックボックスなので正確にはわかりません。

しかし、これまでの経験則から誤差を推定することはできます。その細かい方法や考え方は伏せますが、実際の訪問数は20%少ない月間112万回ほどと推定されます。

オオサカ堂の平均購入率

オオサカ堂の平均購入率 = 4%

説明します。購入率とは、訪問に対して購入がどれくらいの割合で発生したかを表す値です。

購入数 ÷ 訪問数で求めることができますが、購入数がわかりませんので一般的なデータから想定します。BtoC通販サイトの購入率は平均的に3%程度といわれていますので、これをベースにオオサカ堂特有の条件を考慮しつつ、検討してみましょう。

オオサカ堂の購入率に影響する要素
・クレジットカードが使えない→購入率かなりさがる
・決済手段は銀行振込のみ→上に同じ
・集客チャネルはダイレクト/自然検索/ アフィリエイト/ メールマ/SNSに限定されている *流入チャネル概要参照
・中でもダイレクト(ブックマークなどのURL直接参照)が多い→リピーターが多い可能性→購入率上がる
・医薬品は長期で使われるリピート率の高い商品/必需品が多い→購入率上がる
・私は自分のアフィリエイトサイトの流入数、オオサカ堂への送客数、オオサカ堂での購入回数のデータをもっている→購入率の予測ができる

よって、平均購入率は4%とします。

osakadou.cool-traffic-by-channels
シミラーウェブ(無料版)による流入チャネル概要

オオサカ堂の平均購入単価

オオサカ堂の平均購入単価 = 6,000円

算出方法①
複数のオオサカ堂利用者にTwitterでコンタクトをとり、Amazonカードと引き換えに過去の平均購入単価を教えてもらいました。また、私もこれまでに10回以上オオサカ堂を利用しており、その平均値を参考に加えています。サンプルユーザー数は私も含め合計19人です。
その少ないサンプルの中でも、平均購入金額に4,000円以上差異のあるケースがあったので、平均購入単価についてはサンプル数を増やし、加重平均をとりながら今後も改善を続けていきます。

算出方法②
私のアフィリエイト成果レポートにある商品購入履歴をランダムで確認しました。

オオサカ堂の月商は◯◯億円以上

オオサカ堂の月売上高 = ○億○千万円

オオサカ堂の月売上高は2億3千万円ほどと推定できます。

ここまでで調査した値を公式にあてはめるとこうなります。

112万訪問 × 4% × 6,000円 = 2億6千880万円

これにより、オオサカ堂の月商は2億7千万円ほどであるといえます。

しかし、最後にもうひとつだけ考慮すべき要素があります。銀行振り込みの未払いによるキャンセルの存在です。オオサカ堂はオーダーの100%全てが銀行振り込みによる決済です。銀行振り込みの決済では、その後必ず未払いによるキャンセルが発生します。

キャンセル率はアフィリエイトの承認率から割り出すことができます。アフィリエイトの承認率が85%程度ですので、15%が未払いなどでキャンセルになると考えられます。このキャンセル分を除外して売上高推定値の完成です。

オオサカ堂の成長余地は決済方法の充実次第?

月に2億円以上を稼ぐオオサカ堂ですが、更に収益を増大させるにはなにをすべきでしょうか。成長の余地を探るときも、先に使用した売上高を求める公式の項目ごとに考えます。ただし、ここでは顧客のLTV(ライフ・タイム・バリュー)も考慮すべきですので、(生涯)購入回数も式に加えましょう。

売上 = サイト訪問数 × 平均購入率 × 平均購入単価 × 平均購入回数

ユーザーあたりの生涯価値(LTV)を構成する4つの要素それぞれを分析し、以下の通り対策を考えてみました。

サイト訪問数
ヘルスケアカテゴリーへのアップデートと、未承認薬広告サイトへのペナルティによりSEO苦戦中。広告出稿もできない。アフィリエイターによる集客も同様でほぼオーガニックに限られるため、現状では大きな成長が望めない。YouTubeなどの新興チャネル開拓が成功すれば訪問数倍増もあり得る。また、ドメインへの攻撃によるサイトURL変更も、検索ランキングを落としリピーターを失う悪条件の大きな要因となる。
対策
YouTubeやLINEなど、新しいプラットフォームからの集客を拡大する努力をする。そのプラットフォーム内でのSEOはもちろん、そこに対応できるアフィリエイト提携数を増やすことが重要。また、ドメインロックへの対策として、自らドメインレジストラを立ち上げることも大きな成長要因に繋がる。アフィリエイターにも安全なレジストラを提供することで、新規参入数や継続率のアップが期待できる。

平均購入率
決済手段が銀行振り込みだけというユーザー利便性の低さが最大のボトルネック。
対策
クレジットカード決済に対応することが事業全体で最重要。備考として大手競合はコンビニ決済、後払い、Paypal決済などに対応済みである。

平均購入単価
算出した6,000円が実際の購入単価平均値に近いとするならば、海外通販としては高いほうではない。一部商品の値上げの実施や、+1アイテムを顧客に買ってもらうためのキャンペーン、有料オプションの導入が検討できる。
対策
人気商品の値上げ。「速達便」のような有料オプションサービスの新設。海外通販=届くまでに日数がかかる、というマイナス材料を逆手にとって1回の購入点数を増やすキャンペーンの企画(どうせ待つなら1度にたくさん買おう)。マシーンラーニングを導入しておすすめ商品表示の改善・自動化に投資する、など。

平均購入回数
商品の性質上、リピート率(継続率)は高いと思われる。先述の通り、私はオオサカ堂を過去に10回以上使わせてもらっているが、過去4年で2桁回数を利用した通販サイトは、オオサカ堂以外にAmazonとケンコーコムくらいだった。
対策
リピーターを優遇し、とにかく何年も継続してサイトを使ってもらう努力を今以上にする。メールマガジンだけでなく、LINEの活用、ロイヤリティプログラムの強化・改善など。常駐の薬剤師がいるようなので、ロイヤルカスマターに対してクローズドチャットで「無料のお薬相談」などの提供も可能かもしれない(要リーガルチェック)。

オオサカ堂の成長を阻むものとは

オオサカ堂のユーザビリティ、エンゲージメントを著しく低下させている原因には以下の太字の3つがあります。またそれぞれの要因も添えています。

クレジットカード決済が導入できない ← 決済代行サービスとの契約ができない
サイトのURLがよく変わる ← レジットスクリプトの圧力によりレジストラーにドメインを凍結されることがある
ストア名検索で上位に表示されない ← Googleの検索結果上位からBANされている

ではなぜ、大人気のオオサカ堂に限ってこのような問題を抱えているのでしょうか。

理由は、オオサカ堂が医薬品医療機器等法(以下、薬機法)第68条に定められる、「承認前の医薬品等の広告の禁止」に違反している疑いがあるからです。オオサカ堂が取り扱う処方箋医薬品の大半は、日本で承認等の手続きを経ていないものです。日本の法律では、未承認薬の効能効果を不特定多数に対し公に表現することができません。

ℹ️未承認薬などの広告とはなにか?

1)顧客の誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図が明確であること。
2)特定医薬品等の商品名が明らかにされていること。
3)一般人が認知できる状態であること。
参考:https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/koukokukisei/dl/index_d.pdf

このルール通りに解釈すると、日本で承認されていない「カマグラ」の商品名や画像をサイト上で誰もが見える状態にしながら、効果効能を紹介してユーザーの購買意欲を煽る行為は完全に違法ということになります。

その違法性を長年名指しで指摘しているのが、レジットスクリプトというインターネット上の不正行為監視団体です。レジットスクリプトは、オンラインの医薬品、賭博、マネーロンダリングなどに関わる違法行為を調査し、時に間接的な制裁行為まで行う企業です。

例えばオオサカ堂に対しては、ドメインを登録を代行するレジストラーと呼ばれる事業者に圧力をかけ、ドメインを凍結することでインターネット上でサイトにアクセスができないようにするという制裁を加えています。オオサカ堂が過去何度もドメインを変更しなければならなかった理由がこれです。

また、レジットスクリプトはインターネット上のパトロールで収集したデータを他の企業へ販売しており、その顧客にはGoogle、Amazon、Facebook、VISAなどが連なります。オオサカ堂がGoogle検索で上位にランクインできなかったり、VISAカードが導入できなかったりする原因の一旦もここにあります。
参考:https://www.legitscript.com/ja/about/

ちなみに、オオサカ堂の競合であるアイドラッグストアーは、ユーザーが商品名を検索しなければ未承認の医薬品薬・サプリメントなどが表示されない仕様を採用しています。彼らはこのシステムを取り入れることで「承認前の医薬品等の広告の禁止」への抵触を回避しています。お陰でアイドラッグストアーには、クレジットカード決済はもちろんコンビニ払いやNP(ネットプロテクションズ)後払いまで揃っている状態です。また、Google検索でもストア名検索でしっかり1位にランクしています。

アイドラッグストアーと同じ方法を使えば、オオサカ堂も薬機法第68条に違反することなくサイト運営をすることが可能です。技術的にも決して難しいものではありません。しかし、オオサカ堂が変わることはないでしょう。

理由として考えられるのは以下です。

・創業から20年以上この状態で運営してきたので、今更クリーンな状態へ生まれ変わったところで長い間貼り続けられたレッテルが帳消しされるわけではなく、コストに対してメリットがないと考えている。

・クレジットカード決済がなくてもサイトのマネタイズに大きな悪影響がなく、銀行振り込みだけで充分と考えている。

・URLが変わり続けることはある程度折り込んで運営している。複数ドメインを常に利用することでリスクヘッジが充分できていると考えている。

・レジストラを自前でつくって維持するのはコストがかかりすぎると判断している。

・薬機法第68条に対応することで損なわれるユーザーの利便性のほうが、現在のある問題より大きな悪条件と判断している。

・レジットスクリプトの指摘に法的効力は一切ないので取るに足らない戯言として無視している。

おまけ:グループ全体のオンライン売上高は年間でどれくらい?

ロイユニオンのオンライン年商 = 42〜45億円くらい

ロイユニオンのオンライン月商 = 3.5〜3.7億円くらい

各店舗の売上をオオサカ堂の売上を推定した方法と同じように計算すると以下のようになりました。
※スマートフォン用のサイトはなぜかエラーで分析ができなかったので、訪問数はオオサカ堂のURL別集客比率を参考にします。
※その他、サイトごとの細かい留意点の解説は長くなるので割愛します。

2020年第一四半期におけるロイユニオン傘下各サイトの月商
うさパラ  = 7千万円くらい
JISA           = 4千万円くらい
オランダ屋 = 1千万〜2千万円くらい
彩香    = 500万〜1千万円くらい

オオサカ堂を運営するロイユニオンは、他にもうさパラ(usapara.uno/usa-sm.org)、JISA(jisapp.org/jisa-sm.org)、オランダ屋(orandaya.care/oranda-sm.org)、彩香(m-hk.org/saika-sm.org)などの医薬品個人輸入代行サイトを運営しています。他にもあるのかもしれませんが、主要なビジネスとして認知されているのはオオサカ堂を含めてこの5つのサイトです。

royunion-group-monthly-traffic
シミラーウェブ無料版による4サイト(メインのURL)の月間訪問数(2020年第一四半期の月間平均値)

ちなみに、ペットのフィラリア薬・ノミマダニ薬を販売するうさパラには繁忙期があります。ペットの寄生虫予防&駆除の最盛シーズンである4〜6月は、他の月の2、3倍の売上があると考えられます。

重ねて申しますが、ここで計算した数字はあくまでシミラーウェブ上での訪問数、推定による購入率と平均購入額を参考にしています。よって、現実の数字とは大きく異なる可能性もあります。しかし、可能な限り誤差を考慮しつつ、アフィリエイトサイトの運営から得ることのできるデータも参考にして、オオサカ堂とその姉妹サイトたちの売り上げを推定しました。

ちなみに、ロイユニオンは主にAGA治療薬で多くのPB(プライベートブランド)医薬品を製造しています。人気のヘアケア商品が、オオサカ堂やそのグループ店舗でしか扱っていないのはそれらが独占販売のPB商品だからでしょう。よって、オフラインでもOEM製造や卸売などを行なっている可能性があります。オフラインやBtoBビジネスの売上規模は全くの未知数ですが、ひょっとするとロイユニオンは年商100億円クラスの巨大組織、かもしれません。どうでしょうね。

ちなみに、東証マザーズに上場している企業の大半の売上は、年間で20億円未満といわれています。オオサカ堂の売上規模は、日本で上場する多くの企業を上回るものということがわかります。

オオサカ堂を利用する前に知るべきこと

オオサカ堂(osakadou.cool)を利用する前に知っておくべき8つの情報

オオサカ堂ご利用前に、利用者が知るべき8つのこと(公式サイトURL・クーポン・クレジットカード決済・口コミ評判など)を上のリンク先記事でまとめています。オオサカ堂の魅力、利便性、利用にあたって注意すべき点を余すことなく伝え、読者のみなさんにオオサカ堂の真実を知っていただくために執筆した記事です。

お買い物前に、是非ともお役立ていただければ幸いです。では、みなさんご機嫌よう。今週も頑張ってお金稼ぎましょう。

おまけ:オオサカ堂のアフィリエイト・プログラム

オオサカ堂のアフィリエイト・プログラムに参加したいかたはこちらから登録いただけます。

個人的にはかなりお薦めのアフィリエイト案件で、バズ部のブログを全部読んで、SEOをちょこっと理解すれば、誰でも月10万円くらいは稼げるようになる程度の難易度です。私のように多少ウェブマーケティングの知見があれば、週末だけを利用して月30〜50万円くらいは稼ぐことができます。興味があればまず登録だけでもどうぞ、無料です。

その際のドメイン登録にはGMOのお名前ドットコムをお薦めします。GMOはレジットスクリプトの圧力に屈しない大した企業です。ドメインロックという余計なリスクを小さくすることが可能です。

上記のリンクから登録してくれた方には、Twitterで無償でSEOコンサルティングも致します。といってもその場でお答えできる質問へ基本的なアドバイスをお返しする程度ですが、お気軽にどうぞ。気になるかたは、私のTwitterアカウントにDMをください(フォロワーさん以外には返信していませんので、フォローのうえご連絡頂けると幸いです)。

Posted by 大野正一